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2008.12.12

青木正次先生、逝かれてしまいました‥

「12月11日 16時28分
タイ南部で、ロッククライミングをしていた日本人男性が誤ってがけから転落して死亡し、地元の警察で当時の状況を調べています。警察によりますと、死亡したのは札幌市の元大学教授、青木正次さん(73)で、妻と友人3人とともにタイを訪れ、趣味のロッククライミングを楽しんでいたということです。

転落があったのは、タイ南部のクラビ県にあるロッククライミングの名所として知られる岩山で、9日午後、日本人男性ががけから転落して死亡したと地元の警察に通報がありました。警察によりますと、死亡したのは札幌市の元大学教授、青木正次さん(73)で、全身に強く打った跡があったということです。警察は、青木さんががけを登っている最中におよそ10メートルの高さから突然転落したという複数の目撃情報があることから、青木さんが誤って転落し死亡したものとみて、当時の状況を詳しく調べています。青木さんは、妻と友人3人とともに今月6日からクラビ県を訪れて、趣味のロッククライミングを楽しんでいたということです。」NHKニュース

会社で残業していたところに、中学時代からの友達から連絡があって、先生の訃報をしりました。

青木先生のゼミ生の頃から、毎年GWに外国へ登山に行っていたし(休講はそのときだけ)、卒業後1-2年くらい経って先生に会いに伺った時に、「フリークライミングをするようになった」「この年じゃ無謀といわれたけど、それでもやる」といっていたのは知っていた。
在学当時ちらりと聞いたところによると、毎朝北区の住まいから石狩の方までランニングしていたらしい(まさかっ!!)。
それでもフリークライミング云々の話を聞いたのは今から14年も前。。

正直「まだ続けてたのか!」とも思ったし、「やっぱり続けていたんだな」とも思いました。

ただ、すごく先生らしい最期かも‥とは、私も知らせてくれた友達も同意見でした‥。。
先生が、病床に臥せった末に亡くなる‥というのは、想像しにくかったんです。
もちろん年齢も知っていたし、人はいつかは亡くなるけれども、でも青木先生はそういうことを感じさせませんでした。

最期まで打ち込んでいたフリークライミングの中で逝ってしまって、先生は「しまったなぁ」と思ってるのでしょうか。
ひょっとしたら、「踏破できなくてくやしい」と思ってるのかも。。

雨月物語 上 講談社学術文庫 487

雨月物語 下 講談社学術文庫 488

昭和40年代に赴任してから70歳まで、年1回発刊の紀要と年2回発刊の国文学雑誌に、欠かすことなく論文を発表していた先生。一般的には近松門左衛門が専門(近世文学)と知られてますが(講談社学術文庫『雨月物語』上・下がいちばん入手しやすいかしら)、近松を正しく読むために、この時代にとらわれず万葉の時代からあらゆる時代の文学を読解し講義し演習でも取り上げました。
文学ばかりではなく、漫画や映画、外国文学、神話なども取り上げるその精力的な姿勢にいろいろ学びました。
(私も卒論は「浮世絵」一枚を取り上げてそれを読み解きました。)
今思えば、先生の読み解こう、探ろうとしていた研究対象は、表出した文学作品やその他表現作品の、その深層部分、「そう表出する無意識部分の移り変わり」ではなかったかと考えます。
なればこそ、国文学科の中で区切られる「時代区分」という枠組みをとっぱらい、研究対象にも区切りなくあらゆる表現について取り上げた講義内容になってしかるべきと思います。

卒業間近の講義で、ちょうどディレクターズカット版が公開された『ブレードランナー』を取り上げて、浮遊する都市論を展開したことは思い出深いです。

私は、大学に入ったのは青木先生に会うためだったんだと思うくらい、いろいろな事を学びました。
まさに恩師。
もうずっと、講義を聴く機会もなく、先生の論は国文学雑誌を読むことでしか触れられませんでした。
それも数年前に先生が退官してから、得られなくなってしまった。

でもいつか、先生にお会いしていろいろ話を伺いたいとずっと思っていました。

もう、その機会は永遠に得られないと思うと、とてもつらいです‥。

+ + +
青木正次先生の研究の輪郭などについてはこちらで、検索するのが一番わかるかと思います。
また具体的な論文はこちらで、検索するとよいです。
最近の論文の中には(主に『紀要』収録の論文ですが)pdfデータが貼付されていて読む事もできます。(私も今回はじめて知りましたが)

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